城塞をゆく 熊本城、2017年秋 Part2

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【夜の熊本城天守閣。復旧工事中。2017年12月、加藤神社より撮影】
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【熊本城内旧細川刑部邸の紅葉。2017年12月撮影】
先日アップした記事で触れた『ダークツーリズム』で思い出したネタがある。
熊本・大分地震発災前の15年8月のツイッターにあった投稿を紹介したい。
 https://twitter.com/nadhirin/status/634768221325946881
『人口が1億いるから総和としてのGDPは世界第三位だけど、国民1人1人で考えたら(差別的に聞こえるかも知れんけど)東南アジアの新興国よりも貧しいんだぜ? 「実はもう日本(というより、日本人)は貧しい」んだよ。貧しくなった国が頼るのが観光だという現実もあるよね…。』


https://twitter.com/nadhirin/status/634771726522560512
『政府が観光立国推進に舵を切っている現実を見ると、どんな現状認識を持っているか分かろうというもの。「もはや産業で浮かび上がることはほぼ不可能」だと思ってるんだろうなぁ…。産業振興政策は単なる欺瞞、おためごかしに過ぎないのかも知れないと考えると結構絶望的な気分にはなる。』




https://twitter.com/nadhirin/status/635030734952992768
『ちなみに、国内にいろんな産業がある上に観光客も沢山来るという「観光大国」を目指すんなら俺も特に問題視はしないよ。「産業がダメになっちゃったから観光で食っていこう」という敗北主義的観光立国志向を批判してるだけ。』

この投稿を思い起こすと、観光立国とか言ったところで、自国民が余暇を楽しむことができないような状況であれば、いくら外国相手にビジネスをしようとしても為替相場の変動や国際情勢の変化で目論見が外れた時に大きな痛手を被るのではないか。
熊本県内に限らず、近年(特に’11年の東北地方太平洋沖の巨大地震、および福島第一原発事故の発災後)災害の被災地では『絆』とか『がんばろう◯◯』という一種プロパガンダめいた看板やポスターなどを目にすることが多くなっている。
空元気でもいいから人の感情を喚起させよう、励まそうという感覚がそうさせるのだろう。
だが、底意地の悪い言い方をすれば、何も言わずたくさんのカネを回す、仕事を回す、人を増やす・育てるという流れが詰まってきているから、と邪推してしまうのである。
元々熊本県は人材が流出する傾向があり、賃金水準も日本国内では下位レベルである。
10年以内(2020年代半ば)には、賃金水準は韓国より低くなる可能性がある。
かたや、(熊本県に限らないのだろうが)地方の政財官界は一種の『サロン』の『仲間内』で固まる一方、一般庶民は現状に異議申し立てを控え、ムラの空気を壊さず、日々の生活を無難に過ごすのが重要だと思っているようにみえる。
変化を起こすことよりも、底流にある、封建時代から連綿と続いてきた秩序を保つことが日本人にとっては御身大事なのかもしれない。
しかし、この秩序を守ることが前提にある限り、形だけの復旧復興はできても、流出した人もカネも戻ってくるとは思えない。
観光を主要産業のひとつとして強化していくのは結構だが、復興を謳うならば、本気で産業を育てるのであれば、まず第一に熊本県民をはじめとして日本国内の庶民が貧しくなっている、地方から大都市圏へ人材が流出している、人を育てずに「代わりはいくらでもいる」という支配層の傲慢が今の苦境を招いている、という現実からスタートすべきではなかったのか。
このような視点がなければ、復興も、地方経済の持続も、ありえないと思う。

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