投稿

5月, 2022の投稿を表示しています

『水俣曼荼羅』を観て思ったこと

1:本作について https://www.instagram.com/p/CbHOYzdvEdj/?igshid=YmMyMTA2M2Y= 『ゆきゆきて、神軍』『れいわ一揆』などドキュメンタリー映画を長年制作してきた、原一男さんが 20 年以上の期間を要して完成させたドキュメンタリー映画である。 原一男さんが登場人物たち(今回は患者さんやその周囲の人達)とつかず離れず現実を忠実に映していくことで、 2020 年代の今の水俣のありようの断片を窺い知ることができるだろう。 http://docudocu.jp/minamata/#pagetotop 本作は、 ・第一部『「病像論」を糾す』 (熊本大学医学部の医師たちの現地調査と 2004 年の『関西訴訟』が主) ・第二部『時の堆積』 (過去の訴訟の原告団のメンバーである水俣市内在住の方々の人生と、エコパーク水俣周辺の現状など) ・第三部『悶え神』 (患者さんたちの中でもよくメディアに出てくる人達の『素』の姿や、『 MINAMATA 』にも出てきた『怨』の旗の由来についての石牟礼道子さんの話など) の3部が各 2 時間、休憩を挟み計 6 時間で構成されている。 映画だとだいたい使われている BGM が一切(実際には少し使われているようだが)使われず、患者さんたちのみならず天草の人々や中央政府の官僚や政治家(小池百合子や潮谷義子・元熊本県知事、蒲島郁夫・現熊本県知事)といった人々のナマの姿が出ている。 '21 年秋の『 MINAMATA 』(主演:ジョニー・デップ=ユージン・スミス役)とほぼ同時期に話題になっていたことと、熊本県出身の筆者としては絶対外せない作品だったので、時間を作ってなるべく早く観に行くことに決めていた。 2 月(一応 KF94 マスク着用等の COVID19 対策をとった上で)の空いていた日に熊本市・サクラマチクマモト近くの『 denkikan 』で鑑賞することとした。 参考書籍として『水俣曼荼羅製作ノート』( ‎ 皓星社 )があるが、これは映画をご覧いただいた後に手に取っていただくことを勧める。 2:コペルニクス的転回-『「病像論」を糾す』 第一部では、 2004 年の『関西訴訟』を軸とし、熊本大医学部や不知火海沿岸や関西地区の患者